昼なお暗い山に開けた尊崇の道場

奥之院仙龍寺

奈良時代、法道上人の開基と伝えられ、まさに奥之院の名にふさわしく今なお参拝の人が絶えない古刹。

平安時代・弘仁6(815)年には弘法大師が金剛窟に護摩壇を築いて結願の後、自らの姿を彫刻してこの山に安置し、大伽藍・庫裏・鐘楼などを建立したと伝えられています。この大師像が本尊で、大師が「開運厄除」「虫除五穀豊穣」を請願して修行したことから、これを「厄除大師」「虫除大師」と呼んで尊崇したそうです。
その後、寛永15(1638)年、京都大覚寺門跡の尊称法親王が立ち寄り、金光山遍照院仙龍寺の名前がついたといいます。

四国霊場65番札所・川之江市の三角寺の奥の院、さらには四国霊場八十八ヶ所の総奥の院として尊崇を集め、「作大師」・「厄除大師」・「四国総奥の院」などの名で呼ばれています。四国別格二十霊場の13番札所でもあります。
御堂は深い谷の上にまたがって立つ舞台造。寺の周囲は険しい崖にうっそうとした原生林に囲まれ、大師自ら身を清めたと伝わる清滝(落差30m)のほか、玄哲坂、仙人堂、不動堂、蟹淵などが残っています。
古刹の紅葉が美しいのは言うまでもありません。

[霧の森からのアクセス]車で30分(ルートマップ